山形県米沢市は20日から、地域産の高級ブランド米沢牛の消費喚起を促すキャンペーン「“すき焼き”のまち米沢」を市内全域で展開する。米沢牛が全国デビューして来年で150周年。年末年始のごちそうとして市民らが鍋を囲む機会を増やし、おいしさと歴史を広く発信したい考えだ。
キャンペーンは米沢商工会議所や地元の畜産、食肉関連団体などが協賛する。来年1月24日まで、市内の観光施設、米沢牛を扱う精肉店や飲食店に専用のポスターとのぼりを掲示し、地元のケーブルテレビ局でコマーシャルを流す。
米沢牛1キロとすき焼きのタレが付いたセット(8000円)も抽選で400セットを販売。市のホームページなどで今月24日まで申し込みを受け付ける。当選者は来年2月1日に市役所で受け取る。
米沢牛は1875(明治8)年、市内の洋学舎で語学を教えていた英国人教師チャールズ・ヘンリー・ダラス氏が任期を終えて横浜に戻る際、米沢牛1頭を連れて帰り、友人らに振る舞ったことでうまさと名前が広まった。和牛飼育に適した気候や風土に加え、長年培った優れた飼育技術でブランド力を高めてきた。
今月16日に市役所でキャンペーンの記者発表があり、市は使用するのぼりなどを披露した。キャンペーンは来年度以降も継続する予定。
物価高の影響で、米沢牛などの高級なブランド牛は全国的に買い控えられる傾向にあるという。近藤洋介市長は「150周年を機に多くの方に米沢牛を味わってほしい。ブランド価値を共有することで、米沢牛の食文化を次世代に継承していきたい」と語った。