【AFP=時事】海水を燃料に転換する技術は、科学者たちが長年高い関心を持ってきた課題だが、米海軍は今月に入り、この研究がついに成果をみせたと発表した。
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液体炭化水素燃料の開発は「大変革」をもたらすものと考えられてきた。敵に攻撃されやすい燃料補給ラインを画期的に短縮化できるからだ。米海軍のフィリップ・クロム(Philip Cullom)中将は「われわれにとって極めて画期的な達成だ」と語った。
米専門家らは、海水から二酸化炭素と水素ガスを抽出する方法を特定。これらを触媒コンバーターを用いて液化させ、燃料に変えるという。船舶だけではなく航空機への利用も期待されており、実現すればタンカーに依存することなく、洋上の船舶で燃料を生産できるようになる。
米海軍研究所(Naval Research Laboratory)の専門家によると、この技術を用いたジェット燃料の予想製造コストは、1ガロン(約3.8リットル)当たり3~6ドル(約300~600円)。同研究所では海水から製造した燃料を使用して、すでに航空機の飛行に成功している。
実用可能であることが検証された今、課題は産業規模の大量生産を実現することだ。だが研究チームはその前に複数の大学と協力し、海水から抽出する二酸化炭素と水素の量を増やしたいと考えている。
クロム中将によると、この技術の利点は、船舶や航空機の従来のエンジンで利用できることにある。実際に米海軍の艦艇で同技術により燃料が生産されるのは、少なくとも10年後になる見込みだ。【翻訳編集】 AFPBB News