米誌が「2000年以降の最も驚嘆すべき最高の能力賞トップ10」を発表
ヤンキースのイチロー外野手(40)が米野球専門誌による2000年以降のメジャー最高選手に選出された。
1980年創刊のアメリカの野球専門誌「ベースボール・アメリカ」は毎年メジャー球団の全監督アンケートを取り、走攻守様々な部門の選手ランキングを発表しているが、このほど2000年以降の各部門のトップ1に輝いた票数を集計し、「2000年以降の最も驚嘆すべき最高の能力賞トップ10」として発表した。
同誌は特集のはじめに「1つのベストツールのカテゴリーを勝ち取ることも至難の技だが、複数の部門で選出されること、1つの部門で選出され続けることは卓越の証である」と“最高選手ランキング”を定義している。そして、ここ15年間、世界中のキラ星のスーパースターが活躍してきたMLBにあって、日本の誇る天才安打製造機は最高の選手に堂々と選出されている。
イチローがこれまでに集めた各部門のナンバー1の数は実に41。特集の寸評ではイチローの偉大なる歩みをこう記している。
「スズキのナンバー1選出は実に簡単な選択」
「2000年以降、どんなメジャーリーガーよりも2倍以上のベストツール賞を受賞しているのだから、スズキのナンバー1選出は実に簡単な選択となる。実際に、スカウトが選手の評価のために活用する伝統的なファイブツールでは、パワー部門を除き、ア・リーグの監督から最高の能力の持ち主と認識されている」
記事ではそう報じ、イチローのこれまでのパフォーマンスを絶賛している。
イチローは2002年、03年、07年に「ベストヒッター部門」の1位に選出された。「走塁部門」では01、02、03年の3年連続でトップに選出。「外野守備部門」では03、04、05、06、07、08、10年で頂点に君臨した。
「外野手の強肩部門」では01、02、03、05、06、07、08、09、10年でトップ。これらの定番のファイブツール部門での22回のトップ受賞に加え、ア・リーグで最もエキサイティングな選手部門で5回(01、02、03、06、07年)選ばれるなど、長年にわたり、メジャーの監督によって様々な部門でトップ選手に選出されてきた。
特集では「野球史上最もユニークな選手の1人である。スズキは平均以下のパワーで、スピード特化型のバッターとして最も偉大な選手かもしれない」と総括されている。実際に戦い、攻略法を見いだそうとしたMLBの監督からの評価であることが、今回の受賞の価値を高めている。
2位と圧倒的な差をつけたイチロー
また、2位はエンゼルスのアルバート・プホルス一塁手。2001年以降、10年連続で打率3割、30本塁打、100打点以上を記録し続けたメジャー史に残る偉大な強打者は「ベストヒッター部門」で03、05、06、08、09、10年、11年と頂点に輝いた。「パワー部門」でも過去3年トップに立ったが、票数は16票。イチローとは25票差がついており、いかにイチローが走攻守にわたり、突出した万能型であるかを浮き彫りにする結果となった。
3位はタイガースのジャスティン・バーランダー投手の11票。2011年と12年シーズンに「ベストピッチャー」に選出されたエースは、「速球部門」で過去5回、「カーブ部門」で過去4回トップに選ばれている。
4位はブルージェイズで長らく活躍し、2013年にフィリーズで引退した右腕ロイ・ハラデイ氏の11票。特筆すべきはキャリア終盤の08年、09年、10年、11年に「コントロール部門」でトップに選出されたことだろう。
5位はドミニカ共和国出身のブラディミール・ゲレーロ外野手。2013年に現役引退を表明した強打者は11票集めた。6位は禁止薬物使用問題で今季出場停止処分を受けているヤンキースのアレックス・ロドリゲス三塁手。Aロッドはハラデイ、ゲレーロを上回る12票受けているが、なぜかランクは2人の名手より下に位置している。度重なる薬物スキャンダルの影響だろうか。
7位はパイレーツのアンドリュー・マッカチェン外野手とエンゼルスのマイク・トラウト外野手が並んでいる。8位はオリオールズのヨハン・サンタナ投手。9位は守備の達人枠として、ヤンキースのマーク・テシェイラ一塁手ら複数の選手が挙げられている。また、10位はジャイアンツで2010年と12年の2度ワールドシリーズを制覇しているブルース・ボウチー監督が選出されている。