1990年代後半を境に共働き世帯の数が専業主婦世帯を上回っているが、現代の女性は仕事についてどんな意向を持っているのか。人材会社エン・ジャパンが調査した結果、87%の女性が「結婚・出産後も働きたい」と考えていることが分かった。「家庭に入りたい」は7%、「結婚は考えていない」は2%だった。
結婚・出産後も働きたい女性の比率(=エン・ジャパン調べ)
働きたいと思っている女性のうち、31%が「結婚・出産後は少しペースを落として働くが、子どもの手が離れたら以前と同様に働く」ことを希望。「結婚・出産後は少しペースを落として働く」(24%)、「結婚・出産を機に一度は仕事を辞めるが、子どもの手が離れたらまた働く」(22%)などの声もあった。
「結婚・出産にかかわらず、今と変わらず働く」(10%)という層も存在した。
共働き世帯・専業主婦世帯の数の変化(=厚生労働省の発表資料より)
働きたいと思っている女性に理由を聞いたところ、トップは「家計的にも、働ける間は働いておきたい」(62%)。以下「社会とのつながりを持ちたい」(54%)、「経済的に自立したい」(49%)、「“家庭人”以外の自分を持ちたい」(40%)と続いた。
「キャリアアップしたい」(19%)、「仕事にやりがいをもっている」(15%)、「これまでのキャリアを失いたくない」(10%)などの意見も多かった。
女性が働き続けたい理由(=エン・ジャパン調べ)
ただ、働き続ける上で、「仕事の条件」(78%)、「時間の制約」(75%)、「保育園・幼稚園などの空き状況」(59%)、「上司の理解」(58%)、「同僚の理解」(53%)、「体力」(同)、「パートナーの理解」(40%)などに苦労する女性が多いことも判明した。
また、長く働き続けられる職場の条件は「上司・同僚の理解があること」(88%)が首位となり、「待遇・福利厚生の充実」(77%)、「多様な働き方を実現する制度がある」(71%)を上回った。
女性が長く働き続けられる職場の条件(=エン・ジャパン調べ)
エン・ジャパンは「女性に長く働いてもらうには、制度を整えるよりも、自分の状況を理解してもらえる環境が大事といえる」とコメントしている。
調査は2018年12月13日~19年1月16日にインターネット上で実施。同社のサービス「エンウィメンズワーク」のユーザー575人に意見を聞いた。