漢方の専門家や野菜ソムリエらでつくる仙台市の市民グループ「宮城野納豆倶楽部(くらぶ)」が納豆や発酵の魅力を発信する活動を始めた。拠点は来年2月に創業100年を迎える宮城野区の宮城野納豆製造所。納豆作り体験や料理講座などのイベントを月1回開き、身近な発酵食品を見直してもらう活動を進める。
3月21日の倶楽部設立イベントには納豆の絵はがきやおみくじ、ポリ袋に包んだ生地をこねて焼いた「ポリパン」など料理やアート作品を並べた。昭和初期建築の同社倉庫を改築したフリースペース「となりのえんがわ」が会場で、レトロな建物がアットホームな雰囲気を演出した。
国の文化審議会が同18日に同社の製造棟や熟成棟などを登録有形文化財にするよう答申した直後で、納豆や自家製酵母を使ったパンなど発酵食品が好きな人のほか、歴史的建築物の愛好家ら計約60人が訪れた。
倶楽部代表の漢方養生指導士菅原恭子さん(53)=青葉区=が昨年秋、納豆の良さを伝える活動をしたいと、同社3代目社長の三浦晴美さん(62)に設立を持ち掛けた。三浦さんは「自分では思い付きもしなかった企画だ。多くの人に訪れてもらうのは大変ありがたい」と喜ぶ。
4月15日には納豆パウダーを使った料理講座を開いた。5月20日には納豆をテーマにした絵はがき講座を開く。菅原さんは「イベントを通し健康的な食生活を広め、納豆の糸のように納豆好きをつなげたい」と意気込む。
会員を随時募集している。発酵食品に興味があれば誰でも入会できる。連絡先は菅原さん090(7068)8585。