経営状況「悪化」3割強 制限緩和後の回復遅く 仙台・コロナ影響調査

仙台市と仙台商工会議所は新型コロナウイルスの影響を探るため、10月に市内の事業所に実施した実態調査の結果(速報)をまとめた。流行の「第5波」に伴うまん延防止等重点措置や緊急事態宣言の発令前の8月中旬と比べ、経営状況の「悪化」は3割強に達し、「改善」の2割強を上回った。飲食店への時短・休業要請など人出の抑制策が緩和されても、経営回復は容易でない状況がうかがえる。

 10月調査結果と昨年4月以降の「悪化」「改善」の推移はグラフの通り。

 今回は「発令前も影響があり、さらに状況が悪くなった」が2番目に多い31・9%。「発令前は影響なかったが、現在はある」の3・5%を加えると状況悪化は35・4%で、前回7月調査から8・5ポイント上昇した。

 重点措置の適用が10月1日に解除されたものの影響は尾を引き、宿泊・飲食は66・1%、小売りは53・2%が悪化と回答した。

 「発令前も影響があり、現在は軽減した」は20・8%、「発令前は影響があったが、現在はない」は4・2%。状況改善は合わせて25・0%にとどまり、前回を9・1ポイント下回った。

 最も多かったのは「発令前も現在も影響ない」の33・4%。法人向けサービス(53・7%)、建設(49・3%)などで割合が高かった。「現在影響ないが、今後生じる懸念がある」は6・2%だった。

 具体的な影響を複数回答で尋ねた設問は「売り上げ・受注の停滞、不振」が87・6%で最多。次いで「資金繰り」(14・6%)「取引先の再開・確保」(11・1%)となった。

 新型コロナ前の2019年9月と21年9月を比較した売り上げ減少率は「20%未満」65・3%、「20~50%未満」19・9%、「50%以上」14・8%だった。

 実態調査は四半期ごとの「企業経営動向調査」(7~9月期)の特別設問として実施した。市内の事業所1000カ所に調査票を郵送し、10月15日までに738カ所から回答を得た。

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