財務省が10日発表した2013年の国際収支速報によると、海外とのモノやサービスの取引状況を示す経常収支の黒字額は前年比31.5%減の3兆3061億円だった。黒字額は3年連続で減少し、比較可能な1985年以降での最少を2年続けて更新した。
東日本大震災後の原発の稼働停止に伴い液化天然ガス(LNG)など火力発電燃料の輸入が高止まりしていることに加え、円安進行による輸入物価の上昇で、貿易赤字が大幅拡大したことが響いた。年間の経常黒字額は震災前の10年(17兆8879億円)に比べると5分の1以下に縮小した。
半期別に見ると、13年上期(1~6月)の経常収支は3兆3131億円の黒字だったが、下期(7~12月)は70億円の赤字。半期ベースで初めて赤字に陥った。