新型コロナウイルスで需要が落ち込んだ旅行や外食産業などの需要喚起策「Go Toキャンペーン事業」の委託先の選定を巡り、経済産業省が委託費の上限を3095億円としていることが明らかになった。野党は巨額の税金投入だと批判し、追及する構えだ。 【図解でわかる!】経団連が示した感染予防対策 同キャンペーンでは、4月末に成立した第1次補正予算に必要経費1・7兆円が計上された。国内旅行や飲食店での食事などで使えるクーポン券や割引券を配布し、観光地や飲食店などを支援する狙いがある。 募集中の委託先は、キャンペーンを一体的に行うための司令塔の役割を担う。8日まで募集し、1事業者を有識者による審査で選定する予定。関係者によると、費用には旅行代理店などが利用者に配布するクーポン代金を支給するためのシステム構築や、利用者らの相談に応じるコールセンター運営などが含まれる。経産省幹部は「委託費は業務遂行に必要な金額」と説明している。 経産省の委託事業を巡っては、売り上げが減少した中小企業に国が支払う「持続化給付金」の業務が、民間団体に約769億円で委託され、大部分が大手広告会社の電通に約749億円で再委託されていたことを野党が批判している。【工藤昭久】