仙台市は、地元産野菜を学校給食で提供する新規事業を11月に始めた。来年1月までに小中学校を中心とした大半の市立校191校で1回ずつ実施する。これまで学校単位で行っていた給食での地産地消の取り組みを強化し、全市規模に拡大する。
若林区の六郷小(児童711人)の先月25日の給食では、旬を迎えた仙台産曲がりネギがすき焼きの具材として登場。子どもたちは甘いたれに絡んだ曲がりネギをおいしそうに味わい、顔をほころばせた。お代わりを求める行列もできた。
5年の白川永和(とわ)君(11)は曲がりネギを口にすると、「軟らかく、甘みが強くておいしい」とにっこり。同じクラスの田口美拍(みはく)さん(11)は「ネギの中で一番好き。スーパーにあれば必ず買っている」と話した。
今回の事業は「ここで採れた野菜をここで食べてほしい」との思いを込め、「ここで給食」と題して実施。市経済局と市教委が仙台農協の協力を受けて進める。
期間中に使う仙台産野菜は曲がりネギや長ネギ、ユキナ、ちぢみユキナの4種類。各校や各給食センターがメニューを考え、曲がりネギの炒め物や長ネギ入りのマーボー豆腐、ユキナのおひたしなどを提供する。
児童や生徒には、仙台産野菜の特徴を説明するチラシも配る。曲がりネギの栽培は真っすぐ育ったネギを寝かせた状態に植え替える一手間を加えることや、ちぢみユキナは冬の寒さにさらすことで甘みが増すことを解説している。
市健康教育課の担当者は「各家庭で仙台産野菜のおいしさが話題に上れば、保護者の関心も高まる。今回の事業を機に地産地消が広がってほしい」と期待する。