子どもたちに和食を好きになってもらおうと、和食料理人が地元の食材を使って作った給食メニューが二十八日、柏市の柏の葉小学校で提供され、子どもたちは本格的な味を楽しんだ。
メニュー作りは、ミシュランガイドで一つ星を獲得した和食店「鈴なり」(東京・新宿区)の店主村田明彦さん(40)が担当した。
「ご飯にあう」をテーマにした献立は、柏が全国一の生産量を誇るかぶを使った汁物やサワラのゴマみそ煮、大きめに切った野菜を使ったきんぴら、豆乳のすりりんごゼリーの四品。ご飯は柏産のコシヒカリを使った。
昨秋から、学校の給食担当者と相談し進めてきた。村田さんは「給食の開発は初めて。まずは和食を食べてもらえるよう味や彩りを工夫した」と説明した。
献立の開発は、農林水産省がご飯給食の普及を図る事業の一環で、全国から地産地消を推進するモデル校が五校選ばれた。
千葉県内からは同校のみ。市によると、パンや麺類が好きな子どもも多く、市内の給食で、ご飯を食べる機会は週に一、二回ほどと昔に比べ減っている。同校の給食担当者は「嗜好(しこう)ではなく、和食文化を伝えるのも給食の役目」と話す。
児童たちは給食を口にすると、「魚がゴマの味でおいしい」「給食では初めて食べる味」と好評で笑顔が広がった。村田さんは「心配したよりみんな食べてくれた。週に一回でもごはんとおかずを食べる機会が増えるとうれしい」と話した。 (三輪喜人)