絶対中止してほしい!仙台駅前「青葉通広場化」構想 歩道拡張、秋にも実験

仙台市はJR仙台駅西口(青葉区)の青葉通を一部広場化する構想の実現に向け、秋にも実際に歩道を拡張する社会実験を実施する。広場化すれば「東北の玄関口」に広大な憩いの空間が誕生するが、仙台駅に直結する道路をふさぐことになり、交通への影響が懸念される。社会実験を通じて課題を洗い出し、将来の具体的な姿を描く。

「南北両側の歩道拡張」か「南側3車線広場化」

 広場化の対象は駅前通交差点-愛宕上杉通交差点間の約150メートル区間で、市が検討中の社会実験パターンはイラストの通り。

 片側4車線のうち(1)南北2車線ずつ歩道化する「両側歩道拡張パターン」(2)南側3車線と北側2車線(一部は1車線)を歩道化する「南側3車線広場化パターン」の2案が浮上する。いずれも車両の通行はバスやタクシーに限り、一般車は通れないようにする。

 両側歩道拡張パターンは現在ある高速バス乗り場、タクシー乗り場を前方に移動させるだけで、利用者の混乱が少ないことがメリット。南側広場化パターンは南側の高速バス、タクシー乗り場を北側に集約するため、運行ルートの変更が必要になるものの、南側の歩道を広く利活用できる。

 市の2017年調査によると、広場化の対象区間を平日午前7時~午後7時の12時間に通過する自動車は約1万3000台だった。

 21年度の交通量シミュレーションによると、いずれの社会実験パターンの場合も、同区間が最も混雑する午前8時ごろに愛宕上杉通交差点以西の青葉通、アエル前の駅前通で100台以上が減少する一方、定禅寺通や広瀬通の一部、ロフト前の駅前通で50~200台程度増加するとみられる。

 市は今後、対象区間の沿道地権者や交通事業者らとつくる「青葉通駅前エリアのあり方検討協議会」で、2パターンの一方を試行するか、両方を試行するか検討。拡張した歩道の利活用策も含めて社会実験の概要を固め、秋の実施を目指す。

 市都心まちづくり課の馬場泰通(ひろみち)課長は「広場化の在り方や交通への影響を考えるきっかけにしたい。市民の理解と協力を得て、進められればいい」と話した。

[青葉通の広場化構想]JR仙台駅西口の青葉通のうち、駅前通交差点-愛宕上杉通交差点間の約150メートルを車両通行止めにし、一部を緑地化して歩行者が散策できる屋外広場を整備する構想。仙台市が都心再構築プロジェクトの一環で、沿道の旧さくら野百貨店仙台店、GSビル跡地などの再開発に合わせ、実現を目指している。2021年6月、地権者や交通事業者らと検討協議会を設置。22年度に社会実験を実施し、将来ビジョンを策定する。最終的な整備時期は決まっていない。

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