緊急事態宣言でまた増えそう…「知人が自粛警察で困ってます」

「緊急事態宣言の再発令で、小うるさい知人がまた面倒くさいことになりそうで……」

 電機メーカーに勤める和彦さん(49=仮名)はため息をつく。

 その知人男性とは趣味を通じて知り合い、趣味仲間の数人でちょくちょく集まって飲んだりしていたが、コロナ禍で会う機会も減ったという。

「私がSNSに外食の写真をアップしたら、彼は〈あなたの身勝手な行動が感染者を増やしていることに気づきませんか〉なんてコメントを付けてきたんです。聞けば、他の仲間も同じようなことを言われているらしい。彼は、仲間の行動をSNSでチェックする“自粛警察”なんですよ」

 自粛警察とは俗語で、外出や営業自粛の要請に応じない個人や店舗を私的に取り締まろうとする人や行為のことを指す。昨年4月、千葉県八千代市の駄菓子店が、何者かに「オミセシメロ」などと赤い字で書かれた張り紙をされ、話題になったのは記憶に新しい。前出の和彦さんがこう続ける。

「実害はないんで、今のところスルーしていますが、再度の緊急事態宣言で彼の自粛警察っぷりがヒートアップしそうで、不気味なんですよ」

 7日には、東京都のコロナ新規感染者数が初の2000人台に。不要不急の外出は控えた方がいいに決まっている。一方で、家族でもない趣味仲間から、うるさく指摘されたくない気持ちも分かる。「おまえに言われる筋合いはない!」だろうが、米心理学博士で医学博士の鈴木丈織氏は「それを言ったらこじれるだけ」と、こう続ける。

「自粛警察には2タイプあって、ひとつは、生まれつき正義感が強すぎるタイプ。もうひとつは、後から芽生えるタイプ。自分や身内が“何か”に傷つけられたことをきっかけに、〈自分が世の中を正さなければ〉などと思っている。さらにこじれて〈世の中に罰を与えなければ〉と、私的な制裁を加えようとする“私刑執行人”もいます。いずれにせよ後は、正義感に加えて被害者意識も持っている。こちらのひと言に、牙をむいてくる恐れがあります」

 緊急事態宣言の再発令で、またぞろ自粛警察が増えそうだが、何を言われても、しつこく言われても「ごめんなさい。気づかなかった。指摘してくれてありがとう」などと、謝罪と感謝の言葉で受け流しておくのが無難なんだとか。

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