望まない妊娠を防ぐ「緊急避妊薬」について、厚生労働省は２６日、今夏にも一定の要件を満たす薬局に限定し、調査研究として試験的に処方箋なしに販売する方針を決めた。販売する薬局は各都道府県に最低１か所設ける。購入には現在、医師の処方箋が必要で、休日や夜間に入手しにくいなどの声が上がっていた。来年３月末までの調査結果などを踏まえ、市販化の可否を判断する。
緊急避妊薬は、性行為から７２時間以内に服用すると、妊娠を防ぐ可能性が高まる。市販化に向けた機運の高まりを受け、厚労省の検討会が議論を進めている。
厚労省は、同日開かれた検討会で試験的な販売案を提示した。緊急避妊薬の調剤実績のある薬局を中心に、〈１〉研修を受けた薬剤師が販売〈２〉夜間・土日祝日の対応が可能〈３〉プライバシー確保のための個室がある〈４〉近隣の産婦人科医などと連携できる――などの要件をもとに選定・公表する方針だ。実際に販売する薬局は今後、日本薬剤師会など関係団体と詰める。
調査研究では、薬局が販売時に購入者へ説明や指導ができたかや、購入者へのアンケートでは避妊の結果や産婦人科受診の有無などを確認し、市販化に向けた対応策の検討に生かす。
