総務省、休眠電話番号を開放へ 格安スマホに割り当て 携帯料金値下げも期待

総務省が休眠状態の電話番号の利用を促すため、未使用期間の期限を設定する方針を固めたことが25日、分かった。利用者が伸び続けている携帯電話などは番号が足りなくなっており、長期間の未使用が確認された番号は使用を停止して格安スマートフォン事業者などに開放する方針。開会中の通常国会に電気通信事業法改正案を提出する。

現在、電話番号は総務省からNTTなどの通信事業者が指定を受けた上で使用している。しかし、未使用のままでも罰則がないため、既存事業者が番号を囲い込んでいる状況だ。

このため、総務省は電気通信事業法改正案や省令に電話番号の未使用期間の期限を盛り込む。固定電話や携帯電話、フリーダイヤルなどの種類にもよるが、未使用期間に3~5年の期限を設けて取り消す。特に需要の高い携帯電話番号は、他よりも短い3年程度の期限を設定する予定。

電話番号の割り当てについては種類によっても異なるが、現在は03(東京)や06(大阪)といった固定電話の番号はNTT東日本や西日本などが約6割を保持し、契約者に割り振っている。0120から始まる10桁のフリーダイヤルはNTTコミュニケーションズが9割を保持しており、利用したい通販事業者などは手数料を支払って番号を割り当ててもらう。

070、080、090から始まる11桁の携帯電話番号は携帯大手3社が9割を保持。後発の格安スマホ事業者などは大手から番号を借りて利用者に割り振っており、番号の賃借料はコストに上乗せされている。

未使用番号が開放されて格安スマホ事業者に割り当てられれば、料金値下げにつながる可能性もある。大手が追随すれば、料金全体への押し下げ効果も期待される。

それでも、携帯電話の番号は他に比べて需要が高く、総務省は060から始まる携帯電話番号も使用する。今後開放が進まなければ、携帯電話番号の種類を増やすために現在の11桁から12桁にする必要性も出てくるとみられる。

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