総務省は4月12日、中国Chuwi Innovation Technology(ツーウェイ)に対して行政指導を行った旨を発表した。同社が日本で販売する一部の特定無線設備(PCやタブレット端末)について、電波法違反が認められたことを受けた措置で、ツーウェイでは今後の対応を検討している。
総務省によるニュースリリース
指導の概要
今回の指導は、ツーウェイが日本で販売しているPCやタブレットについて、必要な認証を取得していない5GHz帯の無線LANの通信が可能だったことと、技適などの表示が紛らわしい(正しくない)状態で販売されていたことを受けて行われた。本事案の具体的な対象は以下の5機種となる。
- UBook(CWI509)
- Hi10 X(CWI529)
- MiniBook(CWI526)
- Hi13(CWI534)
- UBook Pro(CWI535)
現状、上記のPC/タブレットにおいて5GHz帯の無線LANを利用するとユーザーが電波法違反を問われることになる。そのため、総務省では「(ツーウェイが)ソフトウェアアップデートを実施するまでの間、2.4GHz帯のみ使用」するように呼びかけている。
電波法違反状態にあることが判明した機種の1つ「Hi10 X(CWI529)」
本事案を巡っては、徳島県教育委員会が学習用端末としてHi10 Xを配備した公立学校の児童/生徒に対して、5GHz帯の無線LAN通信を行わないように呼びかけている旨が報道されている。
総務省の「特定無線設備の基準認証制度における技術基準への不適合等の事例」には、既に当該PC/タブレットが掲載されている。
ツーウェイは「正式な解決策」を検討中
本件に関連して、PC USERはツーウェイの日本マーケティング担当者に以下の質問を行った(一部体裁を整えている)。
- 5GHz帯の技適の認証を取っていないPC/タブレットがあることは事実か
- (取っていない場合)なぜ2.4GHz帯のみ認証を取得したのか
- (取っていない場合)なぜ5GHz帯の通信ができる状態で出荷したのか
- SNSにおいて、ツーウェイ製の一部PC/タブレットで「本体(ボディー)への認証の表示方法が間違っている」という指摘もある。このことついて注意を受けたことはないのか
- ツーウェイ製PC/タブレットで技適マークを電磁的表示(UEFI/BIOSなどによる画面表示)は可能か
- 今後、対応を講じるのか(どのような対応を行うのか)
すると、以下のような回答を得られた。
今回の問題について、弊社の製品開発部が今議論して解決しているため、正式な解決策が出るまでは、大変申し訳ないですが、こちらから答えできません。
大変ご迷惑をおかけいたしまして申し訳ございませんが、よろしくお願いいたします。
現在、会社として対応策を検討しているとのことである。果たして、本件はどのような着地を迎えるのだろうか……?