総生産10兆円達成困難 「富県戦略」修正も 宮城県

 宮城県議会9月定例会は12日、決算特別委員会を開き、2009年度一般会計決算などの総括質疑を行った。村井嘉浩知事は、「富県戦略」に掲げた16年度までの数値目標「県内総生産10兆円」について、「経済情勢などから実現は難しい」と述べ、下方修正もありうるとの見解を示した。
 「県内総生産10兆円」は、県政運営の基本指針で、富県戦略などを盛り込む「将来ビジョン」に明記。
 同ビジョンに基づく「第2期行動計画」(10~13年度)も総生産10兆円を前提としている。
 村井知事は「(策定時は)リーマンショックによる世界的な経済混乱は想定していなかった。次期行動計画を策定する段階で、目標を再確認する」と述べた。
 特別養護老人ホームの待機者が1万人を超えている現状に関しては「11年度は500床程度の整備を図りたい」と答弁。一般財源や国の交付金を積み立てた基金を取り崩し、約21億円の整備費を確保する考えを示した。
 橋本潔土木部長は、仙台松島道路(三陸自動車道利府中―鳴瀬奥松島インターチェンジ)で09年度に実施した料金割引の社会実験を、本年度も行う方針を明らかにした。11月中旬を目途に開始し、来年3月末まで続ける。対象は自動料金収受システム(ETC)を登載した中型以上のトラック。終日3割引きとする。

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