日本の農林水産物の主な輸入相手国をみると、米国1兆7116億円、中国1兆2110億円、タイ5694億円となっている(2017年)。それだけ“中国依存”しているわが国だが、中国ではまだまだ食の衛生管理態勢が進んでいないのが現実だ。
近年、世界中で、中国食品への不信感は増している。昨年10月、中国から1年間で輸入した上海がに196tのうち、47.8tから基準値を超えるダイオキシンが検出されたと台湾の食品当局が発表した。不合格率は実に2割以上に及ぶことから、台湾政府は輸入制限も検討しているという。
中国ではダイオキシン入りの上海がにを食べて、骨格筋の細胞が融解し筋肉が壊死する「横紋筋溶解症(おうもんきんゆうかいしょう)」になった女性の事例も報告されており、決して対岸の火事ではない。
カット野菜にも多く中国産野菜が使われているが、1つの品目の割合が50%を超えなければ産地を記載する必要がないことを利用し、中国産のものでも記載がないことがある。
モラルに欠けた食品が私たちの周りに入り込んでいることは紛れもない事実。台所を預かる主婦としては、それらをどうやって避けることができるのかを知っておかねばならない。忙しい日など、スーパーの総菜に頼りたくなる日もあるが、見抜く方法はあるのだろうか。
◆総菜
食品安全教育研究所代表の河岸宏和さんはこう話す。
「かき揚げなど、スーパーの総菜などは、原料の産地を記載する義務がない。だからこそ、店員に産地をたずねてみた方がいい。答えられないお店は、原材料に対して責任を持っていないと考えていいでしょう。
たとえば、かき揚げなどには中国産のえびやいかが入っている可能性が高い。また、ポテトサラダも同様に中国産玉ねぎの傷んだ部分が生で使われている可能性があります」
面倒がらずに産地を確認するしかないようだ。
◆玉ねぎ
野菜は産地表記が義務化されているので、一定の信用がおける。
「皮を剥いた後、本来は白い部分がやや青みが残っているのは中国製の可能性が高い。何より切ってにおいをかぐと、明らかに中国産は化学薬品のようなにおいがある。日本産の方がいい香りがします」(青果市場関係者)
◆キャベツ
こちらは逆に、中国産の方が“色白”だという。
「日本産は外側の葉は緑色なのが普通ですが、中国産は色が薄い。白っぽいキャベツは注意した方がいい」(前出の青果市場関係者)
◆きのこ類
漂白剤を使って白くしている場合があり、雪のように白く触るとツルツルしておいしそうに感じるというが、騙されてはいけない。
「蛍光漂白剤はいわゆるブラックライトのような、紫外線を照射するタイプのランプで見分けられます。変化がなければ問題ないが、漂白しているものは反射があってすぐわかります。また、通常のきのこは褐色なので、白すぎるものは不自然だと思ってください」(前出の青果市場関係者)
購入時は乾燥していて土がついているものを選ぼう。
◆落花生・ピーナッツ
カビ毒である「アフラトキシン」は見た目ではわからないため、産地表示以外で見抜くのは難しい。
中国国内ではピーナッツにピンク色の着色料が使われたものも発見されている。怪しいものを発見した場合、濡れたティッシュペーパーでこすってみよう。赤色が残るものは危険だ。
忘れてはならないのは、中国産のすべてが“毒食品”というわけではないということ。怖がりすぎず、避けるべきものは避ける──
わが家の食卓を守るため、しっかりした知識を持っていたい。