奈良県山添村の観光牧場で飼われている羊が、同県橿原市のJR桜井線の線路脇で除草に協力している。
旺盛な食欲で、約500平方メートルの範囲に生えた雑草を約2週間でほぼ完食。牧場側は餌を確保でき、JR西日本側は年間数十万円の除草費用が浮くという一石二鳥のアイデアだ。
約50頭の羊を飼育する同村の「めえめえ 牧場 ( まきば ) 」では餌の牧草が足りず、年間約3トンの牧草を購入している。実情を知った同市今井町の住民団体「今井町町並み保存会」会長の若林稔さん(72)が、JR側に話を持ちかけて実現した。
今月上旬から、畝傍―金橋間の線路脇斜面に囲いをして2~3歳の雄4頭を放すと、地面の雑草をほとんど食べたという。その様子を見るために、近くの子供たちも大勢集まった。