その一歩を美への一歩へ
「ウォーキングしましょう」と言うと、「最寄り駅や職場、コンビニやスーパーまで、毎日少しくらいは歩いてますよ」、もしくは「健康にいいと聞いたので、1日8000歩は歩いてますよ」とおっしゃるかもしれません。
でも、その歩き、もしかしたらムダかもしれません。……おっと、いきなりムダとは失礼しました。でも、気を付けていただきたいのです! なぜならウォーキングは質が大事。その1歩の「質」が大切なのです。
間違った歩き方は体に負担をかけ、腰痛や膝痛などトラブルの原因につながることもあります。一方、筋肉をしっかりと使った歩き方をすれば歩数は少なくても脂肪燃焼を助け、スタイル改善になり、健やかで美しい体へと導いてくれます。
そこで、歩くほど美を遠ざけている? 意外とやってしまいがちなNGウォーク5つとその改善点を紹介します。
1. ハイヒールで膝を曲げて歩く
ハイヒールを履くと重心バランスが通常とは異なり、体の前に重心が行きがちになります。その姿勢で歩くと、バランスをとるために、膝を曲げて太ももの前側の筋肉を使って歩く歩き方となります。
すると、もも前面ばかりの筋肉が発達し、脚のバランスが悪くなります。美しく見せたくてハイヒールを履くのに、歩き方が悪くて、脚のラインが崩れることになります。
美脚ウォーキングのポイント
ハイヒールを履いた時は、重心が体の真ん中に来るように腹筋で上半身を引き上げた姿勢にします。そして、ウォーキングポイントはズバリ「膝!」膝を伸ばして歩きましょう。立ち姿勢も歩き姿勢も、遠目から見ても分かるくらい美しい佇まいとなります。
2. ペタンコ靴でバタバタ音を立てて歩く
フラットシューズは足に良いと思われがちですが、クッション性のないフラットシューズは、地面からの衝撃がダイレクトに伝わってしまいます。この時、足裏の筋肉が発達していないと、衝撃をダイレクトに受けてしまい、脚全体のトラブルにつながります。
逆にいうと、バタバタ大きな足音を立てて歩くということは、足裏を使った歩き方ができていない証拠です。
美脚ウォーキングのポイント
かかとから着地して足指で地面をける歩きをし、足裏をまんべんなく使うことで足裏の筋肉を発達させましょう。足裏の筋肉が発達すると靴を脱いだ時、足指が美しくなりペディキュアの似合う美しい足になります。
3. 歩く速度が遅い
歩くスピードが遅く、ダラダラと歩くのはNGウォーキングのひとつ。主な理由は、下半身だけで歩こうとしているから。本来「歩く」というのは全身運動なので、脚だけの筋肉で歩こうとすると速さには限界があります。
結果、脚の筋肉は過剰に張るのに、速度が遅いダラダラしたウォーキングになってしまうのです。
美脚ウォーキングのポイント
下半身だけでなく上半身も使って歩くことにより、スピードアップして移動することができます。もともと、二足歩行ができるのは人間だけ。
たった20数cmの面積の足で全身を支え移動するのですから、下半身だけではなく上半身、特に体幹部分・肩甲骨を使って歩くことで上半身・骨盤・下半身が連動し、速く美しく歩くことが可能となります。
こうすることで姿勢が良くなり、運動量がアップするため脂肪燃焼効果が高まりスタイルアップにつながります。
4. 歩幅が狭い
チョコチョコと狭い歩幅で歩いていませんか? 下半身は、全身の7割の筋肉を占めています。歩幅が狭いということは使われる筋肉が限られているということ。せっかくたくさん歩いても、狭い歩幅ではちょっともったいない結果になってしまうかもしれません。
美脚ウォーキングのポイント
歩幅を広くすれば多くの筋肉が使われるため歩くだけで筋肉量アップにつながります。基礎代謝量が増し、ただ歩くだけでその一歩がダイエットになるのです。
5. ガニ股・内股で歩いている
ガニ股、内股になっている人は、脚の外側の筋肉を使っているため、脚の外側の筋肉ばかりが発達するO脚やX脚を誘発します。
美しい脚のラインは、くるぶし・ふくらはぎ・膝・太ももの4点がついていること。エステや特別なエクササイズをしなくても「歩き」を見直すだけで美脚が実現可能です。
美脚ウォーキングのポイント
美脚を目指すなら脚の筋肉をまんべんなく使うことが重要です。つま先は正面に向けまっすぐに踏み出すこと。後ろ脚の膝の裏を伸ばして歩くこと。
やってはいけない5つのNGウォーキングは以上です。どれも普段の「歩く動作」ではやってしまいがちなものですが、ちょっとした意識で簡単に改善できることばかりなんです。
一度にすべて改善は難しいかもしれませんが、ひとつずつ、気が付いたときに行うだけでも充分です。大切なのは、継続することです。「歩くこと」は毎日行う日常動作。単なる動作を「エクササイズ」に変えるのはあなたの意識次第! その1歩が美へつながっていますよ。
(文:長坂 靖子(ウォーキング・姿勢ガイド))