美少女図鑑のお株を奪え! 杜の都に「イケメン手帖」

 【フォーカス】東北随一の繁華街・国分町(仙台市青葉区)に若い女性を呼び込もうと、女子大生4人がカフェや居酒屋の男性店員を紹介するフリーペーパー「イケメン手帖」の作成を進めている。「若い女性が通おうと思うのは、カッコイイ店員がいる店」。狙うは、地域の一般女性をモデルにして話題を集める「美少女図鑑」のイケメン版。杜の都の美男子たちは、本家のお株を奪えるか。第1弾は、6月中旬にも発行される。(吉原知也)
 「スポーツは大好き。サークルではビーチバレーをやっています」「店でのバイトは週4回。心がけているのは、さわやかな接客です」
 4月19日夜、国分町の居酒屋「AGEHA」。イケメン手帖の発案者で宮城大4年の稲泉秀子さん(22)の視線の先で、仙台大3年の氏家奨悟さん(22)が笑顔を浮かべていた。稲泉さんら女子大生3人の取材は、好きなお笑い芸人などの雑談を交えながら、リラックスした雰囲気で進められた。
 手帖は、国分町内の居酒屋やカフェなどで働くイケメンをカラー写真で紹介し、インタビュー形式で趣味や一押しメニューを載せるなど、女子大生の興味を引く内容に仕上げる。ホストら「黒服」の男性は避け、国分町のクリーンなイメージを押し出す。
 モデルを務めた「ジパングtoローマ」店員で、専門学校2年の吉田光太朗さん(19)は「手帖を見た学生が、気軽に国分町に寄ってもらえるようになればうれしい。お客さんに喜ばれるような接客をして、もっと深くつながっていきたい」と完成を待ち望む。
 実は、稲泉さんも国分町で飲食することはあまりなかった。「自分たち学生は友達の家で酒を飲むことが多い。女子大生にとって、風俗店の多い国分町にはあまり縁がない」。
 転機は昨夏。市内でゴミ拾いや音楽活動などを行っているサークル「ストリートレインボウ」に所属している縁で、国分町のビル経営者らが振興策を話し合う会議に参加し、ここ数年の不況で客足が遠のく国分町の現状を知った。
 そこで稲泉さんが目をつけたのが、仙台でも昨秋から発行が始まった「美少女図鑑」。サークルのメンバーなどからアドバイスを受けてレイアウトを固め、友人らの評判が高い店や直接訪れた店で、店長やモデル本人と交渉を重ねてきた。
 モデル5人の取材はほぼ終了し、現在は原稿の執筆作業に追われている。第1弾は6月中旬に2千部を発行する予定で、第2弾も計画中。女子大生の手に確実に届くように、街中ではなく、県内の大学のキャンパスで配布させてもらえるよう交渉しているという。
 稲泉さんは期待を膨らませる。「将来的には、女子大生を中心に読者参加型のフリーペーパーにしていきたい。おすすめの店員を投稿してもらって取り上げる。同世代の女性をネットワークでつなぎ、国分町発のムーブメントを起こしたい」

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