羽生選手凱旋パレード苦戦 Tシャツを販売、費用捻出へ

 ソチ冬季五輪フィギュアスケート男子金メダルの羽生結弦選手(19)=ANA、宮城・東北高-早大=をたたえ、仙台市中心部で26日に行われる凱旋(がいせん)パレードが資金不足に陥っている。仙台市や宮城県など実行委員会は記念Tシャツを19日から販売し、費用を捻出することを決めた。
 パレードは青葉区の東二番丁通で、みずほ銀行仙台支店前-勾当台公園市民広場前の北行き片側4車線約880メートルで実施する。実行委は10万人の人出を予想。警備などに充てる開催費用は約5000万円を見込む。
 実行委によると、パレードは五輪の記念イベントのため日本オリンピック委員会(JOC)の制約を受ける。
 広告とセットとなる協賛金集めは五輪の公式スポンサーに限定しなければならず、地元企業が加われないことから必要額の半分にも届いていないという。
 記念Tシャツのデザインは白地に青で、羽生選手が金メダルを大きく引き寄せたショートプログラムでのラストポーズをデザインした。
 羽生選手のシルエットをぼかすことで、スポンサーの権利侵害を回避した。販売価格は1枚2000円(税込み)で、2万枚を作り、売り上げの全額を開催費用に充てる。
 19日に青葉区の東北ろっけんパークや仙台なびっくなどで発売。ネット販売も行い、当日はパレード終了地点の勾当台公園市民広場でも売り出す計画だ。
 2006年トリノ冬季五輪フィギュアスケート女子の金メダリスト荒川静香さん(東北高-早大出)のパレード時は交通規制も限定的で、費用の約900万円は県と仙台市、宮城県利府町の拠出金で賄えた。今回は、昨年11月のプロ野球東北楽天の優勝パレードなども参考に警備を拡大したことが経費増につながった。
 実行委は「公式スポンサーの協賛金が思うように集まっていない。広く市民の協力を得て、パレードを成功させたい」と話す。

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