翔太も菅田も桐谷も…史上最高好感度“au三太郎”人気の秘密

桃太郎、金太郎、浦島太郎、かぐや姫……と、昔話の主役キャラが軽妙な掛け合いを披露する、au「三太郎」CMが絶好調だ。

2015年度のCM好感度ランキングでは、放映開始からわずか1年にして、過去27年間で史上最高となる好感度を記録。8年連続首位のソフトバンクCMの「白戸家」を大きく引き離し、トップに躍り出た。

元日から放映された「春のトビラ・みんながみんな英雄」篇は、キー局5局のうち3局で、新年一発目の「初CM」として華々しくお目見え。「桃ちゃん(桃 太郎)」=松田翔太、「金ちゃん(金太郎)」=濱田岳、「浦ちゃん(浦島太郎)」=桐谷健太という若手人気俳優に加え、「あまちゃん」で人気となった「か ぐちゃん(かぐや姫)」役の有村架純、悪女キャラがすっかり板についた「乙ちゃん(乙姫)」役の菜々緒、「鬼ちゃん(鬼)」役の菅田将暉など、個性的な人 気キャストを続々と起用。

新しいキャラクターが登場すると「あのキャラは誰が演じるのか?」とネットで話題を呼んでいる。

昔話系CMといえば、「ペプシネックス ゼロ」で小栗旬が演じた「桃太郎」が記憶に新しい。また、「家庭教師のトライ」の「アルプスの少女ハイジ」を題材にしたCMなど、物語をモチーフとしたCMは増えている。なぜなのか。

「CMは幅広い年齢層に、いかに訴えられるかが重要。国民的ヒットが不在の今、世代を超えて語り継がれる物語に着目するのは、自然な流れかもしれません。 みんなが知っている物語に、いかに気の利いたギャップを与えられるかが、人気を分かつ重要なポイントでは」(CM総合研究所関係者)

利用者の奪い合いで、熾烈な競争が繰り広げられる携帯電話キャリア各社。キャリア別契約数(昨年9月時点)は、NTTドコモが45%とトップ。2位のKDDI(au)は29%、3位のソフトバンクが26%としのぎを削る。サービス内容そっちのけのCMが目立つ。

「これだけスマホが普及した今、各社が違いを訴えるのは至難の業。多額の予算を投じてCMを打つからには、微妙な差をつくより、いっそのこと振り切ってしまったほうがイメージアップが期待できるという思惑が強いのでは」(慶応義塾大学の大石裕教授)

CMで「遊べる」企業は、今年も安泰そうだ。

(本誌取材班=牧野めぐみ、上田耕司、亀井洋志、山内リカ、松岡かすみ/今西憲之、岸本貞司)

※週刊朝日  2016年2月5日号

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