翼再び世界へ復興へ 国際定期便が再開 仙台空港

仙台空港で国際定期便が再開した25日、ターミナルビルは空路の完全回復を祝う声に沸いた。東日本大震災から半年余り。津波で水没し孤立した空港は、再び世界と深く結ばれることになった。東北の関係者は「交流人口の増加が地域復興の弾みになる」と、路線拡充に期待を膨らませた。
 1番機となるアシアナ航空のソウル線を出迎えようと、到着ロビーでは歓迎のすずめ踊りが披露された。新潟を含む東北7県の官民でつくる東北観光推進機構は、降り立った乗客一人一人に地場産品や観光パンフレットを配った。
 「われわれを歓迎する気持ちが伝わった。復旧を遂げた空港を見て、路線復活への気持ちを新たにした」。1番機で来日したアシアナ航空の尹永斗社長は歓迎式典後、現行週3往復のソウル線について、震災前の水準となる「週7往復化」の実現に意欲を示した。
 約半年ぶりとなる国際定期便の運航に、利用客の反応も上々だった。ソウル経由で台湾から帰国した仙台市太白区の会社員斎藤祐次さん(53)は「震災時には9月に定期便が復旧するなんて思っていなかった」と感慨深げに話した。
 この日のソウル行きの定期便には、海外遠征に臨む古川学園高(大崎市)のバレーボール部員も乗り込んだ。主将で3年生の山田美花さん(18)は「在学中はもう韓国での練習試合はできないとあきらめていた。せっかくの機会なので、良い試合をしてきたい」と笑顔を見せた。
 仙台空港国際化利用促進協議会の鎌田宏会長(仙台商工会議所会頭)は「外国人観光客の増加は地域経済に波及効果をもたらす。震災から立ち直りつつある東北を韓国などでアピールし、誘客と増便につなげていきたい」と話した。

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