職員派遣が縁 愛知のせんべい会社が塩釜進出

愛知県碧南市の海鮮せんべい製造販売「スギ製菓」は24日、塩釜市新浜町3丁目に工場と直売店をオープンする。東北初進出で、碧南、塩釜両市が災害時相互 応援協定を結ぶなど交流を深めていることがきっかけになった。南海トラフ巨大地震で愛知の本社が被災した場合の代替生産拠点としても機能させる。

敷地面積は約8000平方メートルで、工場・直売店は広さ計約2500平方メートル。マグロ、ワカメ、カキといった原材料を塩釜などで調達して生産する。新工場建設に伴い「三陸たこせん」など新商品を開発し、1カ月当たり350万枚を製造する。
直売所は販売会社の「海鮮せんべい塩釜」が運営し、50種類のせんべいを扱う。商品はJR仙台駅などにも置く予定。工場と直売店の従業員は地元から35人を雇用した。
現地で15日、完成式典があり、杉浦敏夫社長は「原材料は三陸沖産を中心に調達し、少しでも復興に役立てるようになりたい」とあいさつ。碧南市の禰宜田政信市長、塩釜市の佐藤昭市長らが鏡開きをした。
碧南市は東日本大震災後、津波被害を受けた塩釜市に継続して職員を派遣してきた。両市は2012年7月、災害時相互応援協定を締結。東北への立地を検討していたスギ製菓が進出する要因の一つになった。

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