どんなに仕事で成果を出しても、周りから「評価」されなければ無意味である……あなたも、自分より能力が低い人がなぜか上司から高く評価されていて、イラッとした経験があるはず。ではこのような「なぜか評価される人」の“戦略”を、あなたは知っているだろうか。新刊『雑用は上司の隣でやりなさい』は「周りに実力を“評価させる”戦略」を初めて言語化した歴史的な一冊だ。最短出世中・現役メガバンカーのたこす氏による「実力を適切にアピールする「見せ方」の技術」をまとめた本書は、発売直後から「こんな本が30年前に欲しかった」「今までにない知恵がつく」「上司には絶対に見せられない」と話題沸騰中である。今回はその中から「台風でも出社する人が出世する理由」についてお伝えする。(取材・構成=ダイヤモンド社・榛村光哲)
Photo: Adobe Stock© ダイヤモンド・オンライン
台風でも、出社したほうがいい“深い”理由
みなさんは「台風が来る」日、会社に出社しているでしょうか? 現場のある業種の方や、どうしてもテレワークのできない事情のある会社であれば、出社されている方も多いでしょう。一方、オフィスに出社しなくてもいい業態の方は、安全の観点からテレワークをされていると思います。
もちろん、「台風なら無理して出社しなくていい」というカルチャーの会社であれば、わざわざ出社する必要はないでしょう。
しかし僕のいるメガバンクでは、たとえ出社の必要性がないとしても、「このタイミングで出社したほうがいい」と言える理由があります。今回はその深い理由についてお話ししていきましょう。
その「出社しない」は本当に最善手か?
台風が近づくと、会社や組織には「台風に注意して通常業務をするように」というような趣旨の通達が流れます。銀行はインフラでもあるので、通常業務を継続する必要があるわけです。
こうして、課にいる若手社員は「台風は危ないから明日はテレワークしよう」と考え、上司に許可を取り、当日は「出社しない」という選択をするわけです。
実はここに大きな落とし穴があることに、皆さんはお気づきでしょうか。
台風の日でも「偉い人」ほど会社に行っている
実際、僕のいるメガバンクのようなJTCでは台風に伴って出されるこの通達は、実は「部下やヒラの担当」に対するものです。つまり、そういった日でも、役員や管理職層は出社していることが多いのです。先日台風が来たときも、僕の部署の偉い人=「課長以上」はみんな会社に来ていました。
当然ですが、管理職層は、何か突発的なトラブルがあったときに現場の問題を解決するなどの「管理」が仕事です。そんな時に、リモートで仕事をしていては、「一体、何を管理しているの?」と言われてしまいますよね。
そもそも僕のいるメガバンクは、出社率がもともと高いカルチャーです。この「出社が正義」という価値観の是非はさておき、一般的に、会社にはこういった半ば合理的に説明できない【謎文化】のようなものが点在しているものです。特にかつては、台風が来ようと電車が止まろうと、なんとかして会社に来るのが重要視されていました。
今はあまり若手にそのようなことを言いづらくなってきているのですが、今の管理職層はそういった理不尽にも耐え続けてきて出世した人が多いです。
だからこそ、そういったタイミングで出社しないことは実はサイレント減点につながります。「俺は昔は何があっても出社したのに、最近の若手は…」と感じてしまうのは、一定理解ができると思います。
気づかないうちに評価が下がる「サイレント減点」
職場には、こういった「空気」が存在します。特にその「空気」をつかめていないと、気づかないうちに上司からの評価が下がる「サイレント減点」をされることが多いです。
では逆に、ある若手社員がこういったタイミングでも「トラブルがあったらいけないので」と出社していたらどうでしょうか。このような「空気」を持つ職場であれば、「根性のある若手だ」と、上司からの覚えは必ずよくなります。
出世のチャンスをつかむためには、当然ですが上司から認められる必要があります。実際にやるかどうか、及びその「空気」自体が良いものかどうかはさておき、こういった「評価が急激に上下するタイミング」は、使い方次第でうまく出世に活用できます。覚えておいて損はないでしょう。
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(本記事は『雑用は上司の隣でやりなさい』の一部を抜粋・編集・加筆した記事です)
著者:最短出世中・現役エリートメガバンクブロガー たこす
本部公認で副業としてブログを運営する、年収1400万円の現役メガバンク行員。10年以上メガバンクという極限の環境で生き残り、最短で出世街道を歩んでいる。新卒で配属された支店で猛烈なパワハラ上司に理不尽に詰められ続ける過酷な労働環境の中、理系的な分析手法によって独自の「高コスパな仕事術」を編み出す。証券会社に出向して花形の投資銀行業務に携わった後、銀行に戻って上場企業を中心とした大企業営業を経験。現在も本部勤務を続けている。