育て森の防潮堤、岩沼モデル発進 仙台湾南部海岸で植樹

東日本大震災で津波の被害を受けた岩沼市下野郷の仙台湾南部海岸で30日、防潮堤の陸側のり面の盛り土部分に広葉樹を植える植樹式が国などの主催で行われた。「森の防潮堤」の考え方を採用した取り組みで、国として初めて実施した。
 植樹式には全国から駆け付けた約700人が参加。太田昭宏国土交通相は「森の防潮堤は環境への配慮と、粘り強い構造を実現できる。岩沼の取り組みをモデルにしたい」とあいさつした。
 参加者は、「森の防潮堤」を提唱する宮脇昭横浜国立大名誉教授から指導を受け、カシやシイ、タブなどの苗約7000本を植えた。苗は、財団法人「瓦礫(がれき)を活(い)かす森の長城プロジェクト」(東京)が提供した。
 植樹をしたのは、国が3月に復旧工事を終えた延長約5キロの海岸防潮堤のうち、約100メートルの部分。国は震災に伴って出た工事の残土やコンクリートがれきも一部活用し、最大で厚さ2.6メートルの盛り土をのり面に築いていた。

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