既婚女性の平日の平均育児時間が532分で、86分だった夫の6倍長いことが13日、国立社会保障・人口問題研究所の第6回全国家庭動向調査で分かった。5年前より女性が40分減、夫が3分減。国は男性の育児休業取得を進めるが、育児の分担が女性に偏る実態は変わらず、同研究所は「休日には夫の育児時間も微増しており、仕事と家事の両立が依然としてネックとなっている」と分析する。
調査は既婚女性を対象に5年ごとに実施。今回は昨年7月に6142人から得た回答を分析した。
平日の平均家事時間も、女性が5年前より17分減の263分、夫が6分増の37分で、女性が7倍長い。女性が働く際の「子供の世話」は「公共の機関など」(42・0%)が「親」(33・9)を上回り、保育需要の高さが裏付けられた。夫の育児に対する評価は「不満」が42・9%だった。
今回初めて「名もなき家事」についても尋ね、「献立を考える」(91・6%)、「食品・日用品の在庫の把握」(88・6%)など大半を女性が担い、「電化製品の選定」だけは夫(39・2%)が女性(26・4%)より高かった。
家族形態については、意識の変化が見られた。「夫婦別姓」を容認する意見は50・5%と5年前より9ポイント上昇し、初めて5割を超えた。初めて質問項目に加えた「同性カップル」に関し、75・1%が「法的保障が認められるべき」、71・9%が「同性婚を法律で認めるべき」と回答した。