脂の乗りお墨付き「ひがしもの」 塩釜港でメバチマグロ出荷始まる

宮城県塩釜市の塩釜港に水揚げされるメバチマグロのブランド魚「三陸塩竈(しおがま)ひがしもの」のシーズンが到来した。仲買人が16日の水揚げ分から鮮度や色つや、脂の乗りを基準に厳選し、旬の味として仙台市や首都圏の市場などに初出荷した。

 ひがしものは、はえ縄船が9~12月に三陸沖で漁獲し、市魚市場に水揚げしたメバチマグロから選ばれる。40キロ以上で市魚市場での取引価格が1キロ2000円以上といった条件がある。
 16日は高知、大分、宮崎3県の3隻が水揚げした40キロ以上のメバチマグロ計330匹のうち、55匹をひがしものに認定し出荷した。最高値は1キロ当たりで前年より1200円安い5000円だった。
 市魚市場買受人協同組合の鈴木信弘理事長は「最高値は例年並みで、認定数は昨年より10本以上多い。新型コロナウイルス禍で価格などへの不安はあるが、初日としては数、質ともに好調なスタートを切れた」とほっとした様子で語った。
 塩釜水産物仲卸市場では、取扱認定業者で生鮮マグロ専門の丸吉斉藤商店が同日仕入れた1匹を店頭で早速さばいた。県内のすし店などに出荷するという。
 斉藤勝治社長は「程よく脂が乗って色つやも良い。水温が下がるとさらに身が締まってくる。すし店で食べるのはもちろん、市場で質を確かめた上で買い求めてほしい」と期待した。

塩釜市魚市場に水揚げされたメバチマグロ=16日午前6時30分ごろ、塩釜市新浜町1丁目の市魚市場
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