脱炭素へ太陽光活用 仙台・泉パークタウンで東北電グループが実証実験開始

東北電力グループは、仙台市泉区の大規模住宅団地「泉パークタウン」で、太陽光発電を有効活用した実証実験や新サービスを始めた。先進的な技術を導入するなどして、地域の脱炭素社会の実現を後押しする。

時間帯で充電・放電 遠隔制御

 昨年分譲が始まった新住区「朝日」で今月、電力の需給調整のために需要側の電力を抑制する「デマンドレスポンス(DR)」の実証実験を開始した。新築住宅に太陽光パネルと蓄電池を初期費用なしで設置する「あおぞらチャージサービス」加入者が対象。最大100戸の参加を見込む。

 太陽光による発電量が多い時間帯は各住宅の蓄電池に充電し、電力消費量が多い時間帯は蓄電池から放電するといった仕組み。東北電が家庭用エネルギー管理システム(HEMS)端末を通じてインターネットで遠隔制御する。

 実証実験は2024年度末まで。家庭用DRサービスモデルの検討を深めた上で、25年度からサービスを東北・新潟地域で展開したい考えだ。

 泉パークタウンの分譲開始は1974年。リフォーム需要が高まる既存住区でも太陽光発電サービスの普及を促す。泉パークタウンサービス(仙台市)の一戸建て住宅外装リフォームを利用した場合、太陽光パネルを無料で設置し、発電した電気を毎月定額で使い放題にするサービスを今年4月に始めた。

 従来の類似サービスは新築時が対象だったが、屋根や壁のリフォームで足場を組む際にパネルを設置できることに着目した。

 東北電の担当者は「太陽光発電の自家消費を普及させるとともに、より効率的な利用を進めることで、脱炭素社会の実現を目指したい」と話す。

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