脳型コンピューター、実用化に道 米IBMがチップ開発

人間の脳のように同時並行的に情報を処理するコンピューターチップを米IBMが開発した。実用化すれば、大量の画像や音声から特定の顔や声を識別したり、ビッグデータから目的の情報を精度良く見つけたりする機能を、家電や自動車、ロボットなどに組み込めるようになる。8日付の米科学誌サイエンスに発表する。
 開発したチップは、脳の神経細胞が外部の刺激で変化してネットワークを形成して情報を処理するように、入力に応じてデータの流れ方が変わり、電子部品である素子がネットワークを構成してデータを処理する。
 従来の「ノイマン型」コンピューターがプログラムを読み込んで決められた手順で一つずつデータを処理するのに対して、プログラムが不要で多くの素子が分散して同時にデータを処理できる。データを与えるほど、学習して認識機能が向上する。人間のような思考や創造はできないが、脳のような画像や音声の識別を、大規模なコンピューターを使わずにできる。

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