自動車ヘッドランプ最大手の小糸製作所、名取に生産拠点 2026年度操業開始目指す トヨタに製品供給

自動車用照明機器製造の国内最大手、小糸製作所(東京)は31日、名取市の愛島西部工業団地の約7・8ヘクタールを取得し、ヘッドランプなどを生産する新工場を建設すると発表した。土地造成後の2025年度に着工し、26年度中に生産開始予定。投資額は約100億円を見込む。同社は国内に4生産拠点を持ち、東北進出は初めて。

 新工場は、トヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)の岩手(岩手県金ケ崎町)、宮城大衡(大衡村)の両完成車工場に製品を供給する。愛島西部工業団地は仙台東部道路の仙台空港インターチェンジ(IC)に近く、雪も少ないことから選んだ。近く名取市と土地の取得契約を結ぶ。

 生産規模はヘッドランプ、リアランプそれぞれ年約50万台分を計画し、静岡県内の工場から生産を移管する。従業員、売り上げの規模は今後検討する。

 同社の生産拠点の新設は、2006年10月稼働の小糸九州(佐賀市)以来となる。現在は静岡県に3工場が集中し、東海・東南海地震などの災害リスクに備える狙いもある。

 小糸製作所は国内自動車のヘッドランプシェアが約6割、世界シェアは約2割に上る。同社は「新工場には最新の自動化設備やデジタル技術を導入して効率化も進め、次世代のものづくりのモデル工場と位置付けたい」と説明した。

 進出発表を受け、宮城県の村井嘉浩知事は「自動車関連産業の飛躍に大きく貢献する」、名取市の山田司郎市長は「雇用創出や地域産業が発展する」とのコメントを出した。

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