自動車業界の崩壊が近付いている…… 自動車メーカー、今後2、3年で約8万人の雇用を削減へ

  • 2019年、自動車メーカーで働く人々は大きな打撃を受けた。
  • ブルームバーグがまとめたデータによると、世界全体で今後2、3年以内に約8万人の雇用が失われる見込みだという。
  • 11月下旬には、ドイツの自動車大手ダイムラーとアウディが合計約2万人の人員削減を発表した。売り上げの低迷、電気自動車の生産コストの増大がその理由だという。
  • 電気自動車へのシフト、貿易摩擦、イギリスのEU離脱が売り上げを低迷させ、コストを増大させている。

2019年、自動車メーカーで働く人々は大きな打撃を受けた。

ブルームバーグがまとめたデータによると、世界全体で今後2、3年以内に約8万人の雇用が失われる見込みだという。

11月下旬には、ドイツの自動車大手ダイムラーとアウディが合計約2万人の人員削減を発表した。売り上げの低迷、電気自動車の生産コストの増大がその理由だという。

2019年に入って、日産やフォード、GMも大規模な人員削減を発表している。ブルームバーグによると、中国の電気自動車メーカー、上海蔚来汽車(NIO)も株価が大幅下落したあと、9月に2000人を削減すると発表した。

さまざまな問題が自動車業界を悩ませている。

イギリスのEU離脱(ブレグジット)や米中の貿易摩擦は、自動車部品の価格を上昇させる一方で、需要に打撃を及ぼした。電気自動車の増加やライドシェアリング・アプリの台頭も、売り上げを低迷させた。

ブルームバーグはIHSマークイットの調査を引用し、自動車と軽トラックの生産は前の年よりも6%減ったとしている。

ドイツの自動車業界での生産(世界全体の状況を示すバロメーターの1つ)は、2018年半ばのピークから18%減っている —— ゴールドマン・サックスは11月、この生産減がドイツのGDPの低下に貢献したと述べた。ブレグジット、需要薄、関税が売り上げに影響したという。

自動車メーカーは、電気自動車の生産を増やすよう迫られてもいる。ガーディアンは11月下旬、アウディが「無駄を減らし、未来に適合する」ための一環として、電気自動車に投資するために9500人を削減することで約60億ユーロ(約7200億円)を節約しようとしていると報じた。

野村證券のアナリストは夏前に、「痛みは始まったばかりだ」とし、世界の自動車需要は下がり続けるだろうと述べた。バンク・オブ・アメリカのアナリストは、自動車のサイクルはすでにピークに達し、今後は生産が減り続けると見ていると述べた。

フィッチ・レーティングスは5月、自動車業界の低迷が経済成長に悪影響を及ぼしていると指摘し、2018年の自動車の売り上げの減少が、その年の世界の成長を0.2%削ったと述べた。

[原文:The Carpocalypse is here — automakers are set to cull 80,000 jobs in the next few years]

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