自動車関連の回復着実 76%「受注戻った」 宮城県調査

 宮城県は県内の産学官でつくる「みやぎ自動車産業振興協議会」に加盟する製造業261社について、東日本大震災からの復旧状況を8月末時点でまとめた。聞き取り調査などの結果、90%近くが「ほぼ復旧済み」と判断できた。「受注量が震災前水準に戻った」企業も200社に上り、全体の76.6%を占めた。
 県は「震災から約半年で順調に回復できている」と見ている。受注回復については「(自動車をはじめ)国内メーカーの増産が復旧の追い風になった」と分析している。
 生産能力に関して「ほぼ復旧済み」と判断できたのは233社で、全体の89.3%に達した。「一部復旧」は8.0%に当たる21社。未復旧は2.7%の7社で、津波で工場建屋が流失するなどした企業が大半だった。
 受注量が震災前を下回っているのは21.8%に当たる57社で、受注ゼロは1.5%の4社。4月の調査では受注減は全体の70%以上を占めており、改善傾向が鮮明になっている。
 県自動車振興室は「国内の完成車生産は当初計画を上回るペースで増えている。好機を逃さないように国などの支援策を活用し、地元企業の工場復旧を促したい」としている。
 協議会には県内に立地する自動車部品大手などのほか、関連産業への参入を目指す地元企業などが加盟する。県は4月、加盟する全企業について9月中に操業を再開させ、生産体制を年内に震災前に戻す目標を立てていた。

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