自民党“裏金”問題で非公認の議員は12人に

自民党は、9日午前、石破首相、森山幹事長、小泉選対委員長らが出席して選挙対策本部を開き、いわゆる裏金問題をめぐり、10月27日の衆院選にむけた非公認を12人とすることを決定、発表した。

「アピール力が倍違う」『公認』『非公認』の違い…異例の解散前夜“裏金議員”処遇は

■解散前夜“裏金議員”処遇は

「アピール力が倍違う」『公認』『非公認』の違い…異例の解散前夜“裏金議員”処遇は

衆議院解散前夜、夜まで自民党が動いています。 石破総理は、8日午後8時半、選挙への意気込みを述べたその足で、幹部らとの協議へ向かいました。 石破総理 「国民の経済を守り、暮らしを守り、日本国の安全を守り、そして災害に対しても強い日本を創っていく。それができるのは、我々の政権である。強い思いのもとに国民の皆さまのご審判を仰ぐべく、全力を尽くしてまい ります」 15日にスタートが迫る衆議院総選挙の公認候補者選びが大詰めを迎えています。 8日だけでも、昼、夕方、夜と、会合は少なくとも3回目。原則、地方組織の都道府県連から、党本部への“公認申請”をもって、地元の候補予定者を公認してきた自民党ですが、今回は、ワケが違います。 6日に「公認権者として、責任を持って、最終的に判断をしていく」と強調した石破総理。いわゆる“裏金議員”を公認しない可能性に踏み込みました。 いま示されている非公認の基準は3つあります。1つは、8段階ある処分の中で『選挙における非公認』より重い処分を受けた議員。2つ目は、『選挙における非公認』より軽くても、現在、処分が続き、政治倫理審査会で説明をしていない議員。ここまでで公認されない方針の議員は、安倍派の重鎮など6人います。 ただ、石破総理は「結果として、相当程度の非公認が生ずることとなる」と言っています。そこで出てくるのが、公認しない基準の3つ目です。3つ目の基準は、説明責任が十分果たされず、地元の理解が進んでいないと判断される議員。ここから公認を外される人が増えるのかどうか。先の6人と合わせて、「非公認は、2桁にのぼる」との声もありますが、“地元の理解”が進んでいるかどうかという判断基準は、極めてあいまいな気もします。

■公認決め手は「選挙に勝てるか」

野党もその点が気になるようで、国会で追及しました。 立憲民主党・田名部匡代参院幹事長 「まさか当選の可能性の『ある』『なし』で判断されることはないと思うが、説明責任が果たされているかどうか、それは誰が何をもって判断するのか」 石破総理 「公認については、我が党の選挙対策委員会において、各選挙区の事情、当選の可能性などを踏まえ、適切に判断をしていくことになるが」 当選の可能性、つまり、選挙に勝てるかどうかが公認するかどうかの決め手にもなり得るということのようです。 自民党・森山裕幹事長(7日) 「(Q.都道府県連から公認申請があった中で、選挙情勢がかなり厳しい場合は、非公認の可能性はあるか)あります、あります。調査でもわかってきているので、それを吟味させてもらい、全く当選の見込みのない人を公認するということは、避けなければいけないと思っている」

■“政治とカネ”巡り 国会で論戦

公認問題だけではありません。政治とカネをめぐる意見は、与野党から相次いでいます。 日本維新の会・浅田均参院議員 「国民の政治に対する不信と怒りは頂点に達している。『納得と共感内閣』だと胸を張られても、何も納得できないから、何も共感できないのは当然」 共産党・田村智子委員長 「裏金・金権腐敗の根を絶つためには、パーティー券を企業や業界団体に売ることを含め、企業・団体献金の全面禁止が不可欠」 公明党・西田実仁幹事長 「いわゆる旧文通費の使途の明確化や公開、未使用分の返納の義務付けについては、期限を決めて議論し、遅くとも、来年の通常国会までには、改正すべきと考えます」 国民民主党・榛葉賀津也幹事長 「能登半島への思いを寄せた補正予算の編成と、政治資金規正法の再改正なくして、衆議院の解散などあり得ないと思います」 れいわ新選組・山本太郎代表 「いま選挙をやらないと、自民党が滅びるんですか?だったら滅んでください。奥能登の復旧・復興と、国民への消費税減税。給付金こそが日本国の最優先事項だ」 参政党・神谷宗幣代表 「この問題をうやむやにしたままいくと、やはり選挙にも響くでしょうし、国民は納得しないんじゃないか」 社民党は「結局、何をやりたいのか、何をやるのかわからなくなった。改革はゼロだ」とコメントしています。

■石破総理「最終決定はあす」

◆“公認”候補と“非公認”候補、選挙活動への影響を見ていきます。 まず、そもそもですが非公認では、『政党』の名前が名乗れません。公認は、例えば「自民党として出馬」となりますが、非公認は自民党に所属していても、選挙では『無所属』となります。無所属になるということは同時に、政党名を記入して選ぶ、『比例代表』の立候補もできなくなります。

■“非公認”決着は… 異例の解散前夜

※自民党で約40年にわたり選挙対策を担った久米晃さんに聞きました。 久米さんは「政党の公認候補、無所属候補では、選挙活動のアピール力が“倍くらい違う”」といいます。 具体的に見ていきます。 【ビラ配り】 公職選挙法で候補者が個人で配れる枚数は7万枚。公認候補は、さらに“4万枚上乗せ”して、配ることがで きます。 【選挙ポスター】 非公認、つまり無所属の候補者が、ポスターを貼れるのは、公営掲示板のみ。公認候補は、それに加えて、“政党 用ポスター”を1000枚まで別の場所にも掲示できます。 【選挙活動資金】 自民党の公認候補は“公認料”として、活動資金を提供されます。無所属候補は、“公認料”ありせんので、活動資金限られます。 【政見放送】 テレビやラジオで公認候補だけが登場が可能で、無所属候補は、自分の経歴を読み上げる『経歴放送』に限られます。自民党の選挙対策に詳しい久米さんは「政見放送は、候補者の名前や政策をじっくりアピールできる機会で、無所属候補と大きな差になっている」といいます。

テレビ朝日

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