仙台市出身のアウトドア&ローカルプロデューサー大内征さん(42)=東京都=が、東日本大震災からの再生を後押しする首都圏発の支援の橋渡し役を担っ ている。メーンフィールドは東京の「自由大学」。震災と向き合う「東北復興学」「キャンプin仙台」の二つの講座の先生役を引き受け、東北を思う人々の輪 を広げている。
8日に都内で東北復興学の講義があった。昨年12月に5回続きで始まった第8期講座の2回目。若い社会人ら約10人の受講生が参加した。
講師の大内さんは、東京を拠点に被災地と共に歩む実践者2人をゲストに招いた。石巻市に寄り添う大田区の「石巻マルシェ」代表村上源さん(43)、被災地ゆかりの名産品をキャラクター化して再生の物語を紡ぐ「東北☆家族」プロジェクト代表塩坂佳子さん(44)だ。
村上さんと塩坂さんからの報告を聞き、大内さんは「震災をきっかけに生き方などを変えた人たちに触れることは、自分の在り方を考えることにつながる」などと受講生に呼び掛けた。
大内さんは震災の前年、自由大学のサッカースペイン語講座を受講。同大学との接点ができた。
震災があった2011年の夏、被災地でキャンプをして地域や人の営みを考える「キャンプin仙台」を自由大学の講座として自ら企画。これまでに20回近く開催し、延べ約180人の受講生と被災地に赴いた。
さらに、被災地と向き合い続けるもう一つの柱として、東北復興学を12年5月に始動させた。
大内さんは、一連の取り組みから芽生えた被災地とのさまざまなつながりを受講生につないできた。東北に思いをはせ、行動する東京発の人の輪は広がりを見せている。
東北復興学とキャンプin仙台の今後を見据え、大内さんは「震災後の東北を感じ取り、持続的に後押ししていける場としていきたい」と話している。