宮城県大和町のワイン醸造所「了美(りょうみ)ヴィンヤード&ワイナリー」で、自社農園で栽培したブドウを100%使用したワインが完成した。木の成長に伴い、ワインを仕込める量が収穫できるようになり、待望の地元産ワインが誕生した。
完成したのは赤ワインの「ラセリー了」と、白ワインの「ラセリー美」(ともに750ミリリットル)。ラセリー了は深い味わいの中にまろやかさがあり、ラセリー美は厚みのある味わいと酸味が融合する。
ワイナリーは町西部の元牧草地に2017年12月完成。醸造用ブドウの栽培面積は3・3ヘクタール。ラセリー了の原料のメルロー、ラセリー美のシャルドネは20年秋に収穫し、約1トンを用いて計726本生産した。
ワイナリーを営むみらいファームやまと(仙台市)の早坂了悦社長(61)と妻の美代子取締役(61)が2日に県庁を訪れ、完成品を村井嘉浩知事に贈った。
早坂社長は「ワインには人を引きつける魅力がある。少子高齢化や過疎化が進む中山間地で、収益性が高く観光資源になり得る」と手応えを語った。村井知事は「付加価値の高い良いものをたくさん造り、1次産業の振興につなげてほしい」と期待した。
ラセリー了は12月ごろ発売予定。ラセリー美は3850円で販売中。連絡先のアドレスはryoumi.vw@gmail.com