宮城県石巻市中心部にある二つの仮設商店街が初めてタッグを組み、無料の「レンタサイクル」をスタートさせた。利用者は商店街を行き来するだけでなく、自由に自転車で街中を回れる。商店主らは「車では見落としてしまうような街の魅力を発見してほしい」と期待している。
レンタサイクルを始めたのは立町2丁目の「石巻立町復興ふれあい商店街」と、約500メートル離れた中央2丁目の「石巻まちなか復興マルシェ」。ペンキでカラフルに彩られた中古自転車計8台が置かれている。
観光で石巻市を訪れた東京都板橋区の会社員女性(43)はふれあい商店街で自転車を借りた。「マルシェまで歩いて行くにはちょっと距離がある。足を伸ばすのにすごく助かる」と喜んだ。
レンタサイクルはボランティアが発案し、ふれあい商店街の呼び掛けで実現した。自転車は市内に拠点を構える一般社団法人「ピースボート災害ボランティアセンター」(東京)などから提供を受けた。
ふれあい商店街の電器店「パナックけいてい」店長の八重樫麻実さん(31)は「散策しつつ、商店街で買い物してくれればうれしい」と話した。
二つの商店街は取り組みに手応えを感じ、さらなる連携も視野に入れる。マルシェ事務局の木村均さん(52)は「つながりを生かし、地域を活性化するため協力したい」と意気込む。
レンタサイクルの窓口はふれあい商店街が「パナックけいてい」、マルシェは事務局。貸し出しは午前10時~午後5時で、1回の利用は土日祝日が2時間まで、平日は時間無制限。