致死濃度57倍以上の硫化水素、秋田焼山付近の国道600mは駐停車危険地帯

秋田焼山(秋田県鹿角、仙北市、1366メートル)近くの仙北市田沢湖玉川の叫沢周辺の火山ガスから、人間の致死濃度の57倍以上の硫化水素が検出されたことがわかった。秋田県総合防災課は、付近の国道341号の約600メートル区間で駐停車しないよう呼びかけている。

 硫化水素は「卵が腐ったような臭い」を感じるガスで毒性があり、濃度が高いと即死の可能性がある。県総合防災課によると、5月下旬に仙北市の住民から県に「ササが枯れている」と連絡が入った。県は気象庁仙台管区気象台に火山ガスの調査を依頼し、林野庁秋田森林管理署などと注意喚起の看板を設置した。

 6月の調査結果では、硫化水素が致死濃度の700ppmをはるかに上回り、計器の上限の4万ppm以上と検出された。県は専門家と協議した上で、国道は通行止めにしないものの、駐停車すると危険な約600メートル区間について、環境省などと注意を呼びかけている。

 同課の担当者は「夏の観光に利用されることもある道路。注意区間で駐車したり、立ち止まったりしないようにしてほしい」と話す。

 県内では、1986年に叫沢地区で観光客が火山ガスを吸って死亡する事故が起きている。

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