芋畑に「ナスカの地上絵」=畝で描き、魅力発信―山形市

山形市の里芋畑に、ペルー南部の世界遺産「ナスカの地上絵」が出現した。畝を使って代表的な地上絵「ハチドリ」を描いたのは、「さといもや さとう農園」社長の佐藤卓弥さん(43)。「地上絵のように、山形の里芋の魅力を世界に伝えたい」と話している。

ハチドリは長さ約80メートル、幅約50メートルで、くちばしが短いことを除けば、ほぼ実物大。約100分の1の図面を畑に持ち込み、曲線や直線の畝を作って描いた。畝は保温用の黒いビニールで覆われているため、6月の完成当初、ハチドリは黒い線でできていた。現在は成長した里芋の葉や草が茂り、緑がかって見える。

河川敷で芋煮を楽しむ風習がある山形県では、里芋は身近な食材。より多くの人に山形の里芋を知ってほしいと考えた佐藤さんは、山形大がナスカの地上絵を研究していることに思い当たり、制作を決めた。完成後はドローン(小型無人機)で上空から撮影し、インターネットに動画を公開している。

里芋は10月ごろ収穫を迎える。佐藤さんは来年以降、コンドルなど他の地上絵の制作にも意欲を示す。山形大や他の農家とも協力したいと考えており、「みんなで地域を盛り上げるきっかけになれば」と期待している。

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