和歌山県北山村で10日、特産のかんきつ「ジャバラ」の果実の収穫が始まった。作柄は平年並みで、12月上旬まで続く。
ジャバラは村に生えていた自然雑種で、「邪(気)をはらう」が名前の由来。1980年代から村おこしとして栽培に取り組んでおり、近年では花粉症の抑制に効果があるとして注目されている。
村内では村営農園と農家21戸が計約8ヘクタールで栽培。村営の相須農園では収穫初日、午前7時から作業員8人がはさみを使って果実を1個ずつ収穫した。果実の大きさはテニスボールほどで、辺りにはすがすがしい香りが漂った。
村営農園の栽培管理を請け負っている「北山振興」の宇城公揮さん(40)は「今年は適度に雨が降り、台風の影響も少なかったことから、粒ぞろいの良い実ができた」と話した。
今年の収穫量は村全体で昨年並みの約100トンを見込む。収穫された果実は、ほとんどが村営の加工場に出荷され、果汁を搾るなどするという。