花粉症薬、保険適用外に=医療費600億円削減-健保連提言

企業の健康保険組合で構成する健康保険組合連合会(健保連)は22日、医療機関で処方される市販薬と同じ成分の花粉症治療薬について、医療保険の適用から除外し全額自己負担にすべきだとの提言を取りまとめた。

 保険財政悪化への対応策と位置付け、最大で年600億円程度の医療費削減効果があると試算。その半面、1~3割の支払いで済んでいた患者の負担は重くなる。

 2020年度診療報酬改定に向け、今秋から本格化する中央社会保険医療協議会(厚生労働相の諮問機関、中医協)で提起する。

 健保連は16年10月から18年9月までの加入者の医療機関受診状況を分析。市販薬と同一成分の花粉症薬について、保険適用からの除外を1種類に限った場合でも年37億円の医療費削減を見込んだ。提言で、まずは除外範囲を絞って行うべきだと求めた。

 高齢者医療を支える拠出金の負担増とともに、薬価が数千万円に上る「超高額薬」の相次ぐ保険適用により、各組合の財政が悪化し、加入する会社員の保険料負担はさらに増加すると予想される。

 健保連は、市販薬で代用可能な処方薬の医療費規模は2126億円と試算している。これまでも医療機関で処方される湿布や保湿剤を保険適用から外すよう求めており「制度維持のため、一定程度の除外は必要」と強調する。

 また、提言では、診療所などにかかれば誰でも初診料上乗せの対象となる「機能強化加算」について、「かかりつけ医」の報酬を増やすとの当初の目的を踏まえ、生活習慣病をはじめとした継続的な受診が必要な患者に限定すべきだと主張。生活習慣病治療での安価な後発医薬品の利用拡大も求めた。 

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