花見に、買い物に、観戦に 宮城の人出止まらず

新型コロナウイルス感染が急拡大し、大阪府や兵庫県と共に全国初の「まん延防止等重点措置」適用を5日に控えた宮城県で、外出の動きが止まらない。桜は見頃、プロ野球はシーズン開幕直後、東北最大規模の商業施設も開店したばかりと誘惑が多いことも要因だ。自粛疲れとコロナ慣れ、春の陽気の「三重奏」に合わせて、市民の足は自宅の外に向かう。  重点措置の適用が決まった1日夕、仙台市宮城野区の榴岡公園では満開の桜をスマートフォンで撮影したり、シートを広げて弁当を食べたりする花見客の姿が目立った。  長女(31)とベンチに座り、缶ビールを手にした若林区の主婦(59)は「桜は癒やされる。春が来た」とほろ酔い気分。県は花見の自粛を呼び掛けているが「もう『自粛』の言葉は聞き飽きた。屋外だから心配はない」と言い切った。  青葉区の西公園でも同日夜、酒盛りする会社員らやカップルなどが見られた。高校の後輩と「サシ飲み」した青葉区の会社員男性(23)は「花見をしては駄目と知らなかった。飲みに行く機会が減り、ストレスがたまっている」と明かした。  利府町に開店した大型商業施設「イオンモール新利府南館」は、夏に開業する北館を合わせると東北最大の売り場面積。東北初進出の35専門店がある話題の施設だ。2日昼もフードコートや体験型アミューズメント施設がにぎわい、3800台収容の駐車場には山形や福島、八戸など県外ナンバーも目立った。  中学2年の長男(13)と訪れた気仙沼市の会社員加藤小百合さん(42)は「(重点措置の適用決定で)仙台に行くかどうか迷ったが、子どもが楽しみにしていたので。しっかり感染対策はしている」と話した。  2日に宮城野区の楽天生命パーク宮城であった東北楽天-オリックス戦のナイターには、7247人の観客が集まった。3月26~28日のホーム開幕3連戦も1試合平均1万4555人を記録したが、5日以降は収容人数の50%(1万5600人)の上限がさらに下がる可能性がある。  楽天ファンという太白区の無職藤沢政則さん(65)は夫婦で来場。「県内各地のイベントが中止され、楽しみは野球だけ。屋外だから感染の心配はない。球団側も対策をかなり徹底しているようだ」と語った。

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