芸人デビューの宮迫博之息子

背中に大きく「STAFF」とプリントされたTシャツに、無造作に裾を捲ったデニムパンツ。白のビーチサンダルを履き、首にかけたタオルで額の汗を拭う。8月下旬、神奈川・茅ヶ崎の海岸にボランティアスタッフとして働く宮迫博之(49才)の姿があった。

「宮迫さんはシングルファミリーを応援するサマーフェスティバルに参加していたようで、朝から会場の設営を手伝っていました。写真撮影にも気軽に応じていて、以前よりやせてはいましたが、“宮迫ですポーズ”も復活していました」(居合わせた海水浴客)

 闇営業問題で謹慎処分を受けた吉本興業所属の芸人11人が次々と復帰するも、宮迫の復帰はいまだ白紙のまま。清掃活動や、子供たちに無料や安価で食事を提供する「子ども食堂」に参加したりと、ボランティア活動に精を出しながら反省の日々を過ごしている。

 宮迫が茅ヶ崎で汗を流していた数日前。東京近郊の小さなライブハウスで、1組の若手漫才コンビが「旬なネタ」で会場を沸かせていた。

 設定は炎に道を塞がれた消防士。「闇営業してしまって、まるで社会復帰を閉ざされた芸人の道みたいだ。炎の道。くっそー、どこにも行けない」とのボケに「(そこは)芸人がいじっちゃいけないラインだぞ」のツッコミが客の笑いを誘う。この鋭いツッコミを入れたのは、宮迫の息子・陸くん(18才)だ。

「陸くんは、中2の時にお笑いコンビを結成して、高校生の時には全国の漫才大会にも出場しています。今は大学のお笑いサークルに所属しながら、ライブハウスなどで客を集める注目株です。父親の名前を隠していますが、耳が早いお笑い好きの間では、宮迫さんの息子だと知られています」(お笑いフリーク)

 夏休みの8月は、10本以上のライブに出演。ライブ終わりの陸くんに話を聞こうとしたのだが…。

「おれは、A(相方)のキャラがわからない…もっと、こうしてくれれば、おれはこういうツッコミにも回れるし~」と、人気のない住宅街で熱のこもったお笑い談議を繰り広げている。落ち着いた頃を見計らって、声をかけた。

――お父さんはボランティア活動を始められていますよね? どんなご様子ですか?

「らしいっすね。(様子は)ちょっと、わかんないっすね。そこは」

 そっけない返答が続くが、お笑いの話になると一転。

――ライブ面白かったです。

「本当っすか? ありがとうございます! ぜひ、また見に来てください!」

――将来は吉本興業入りを目指しますか?

「えぇ…それはわからないです(笑い)」

 ボランティア活動をしながら復帰を目指す父親と、ひたむきにライブを続ける息子。立場は違えど、目指すステージは同じ“表舞台”なのかもしれない。

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