芸能人ら移籍に「不当な制限」、独禁法に抵触の可能性

芸能人やスポーツ選手などが移籍する際、元の所属先が不当な制限をすることは、独占禁止法に抵触する可能性があるとする報告を、公正取引委員会の有識者会議がまとめました。

「(事務所に)私のやりたいことにどうやってつながっていくのですかって聞いても、とりあえず頑張ろうと」(俳優 志村りおさん)

現在、俳優として活動する志村りおさん。今から7年前、当時所属していた事務所では、希望する俳優としての仕事はなく、アイドルとしての仕事をする日々だったといいます。

このため、事務所を辞めると伝えたところ・・・
「契約書に書いてあるでしょうっていう一言だと思うのですけど、芸名を変えないといけないとか、2年間は活動できませんとか、こちらの意向では辞められませんよとか・・・」(俳優 志村りおさん)

一方的な契約内容を理由に、その後1年間、事務所を辞めることができなかった志村さん。これまで、志村さんのように芸能人やスポーツ選手など、フリーランスで働く人をめぐっては、所属先と契約をする際に、自由に移籍ができないなど不利な条件をつけられていることが問題となっていました。

公正取引委員会では、こうした事態が独占禁止法に抵触しないか検討するため、去年、有識者会議を設置。15日、その報告書がまとまりました。報告書では、芸能人が契約更新の際に拒否しても事務所側によって強制的に更新される事例などが確認されたということで、これらの契約について、「独占禁止法の『優越的地位の乱用』にあたる場合がある」と指摘しました。

一方で、芸能事務所がタレントの育成などに費用がかかるため、移籍に制限をつけている事情にも理解を示していて、「事務所などが自主的に問題となり得る行為の点検を行い、未然に防ぐことが重要」としています。

移籍をめぐるトラブルはなくなるのでしょうか?多くの芸能人の顧問を務める弁護士は・・・
「(今回は)一歩目かなと思っています。(事務所側は)報告書を守っていくと思う。特に有名な芸能事務所は指針の一つにしていくと思う。地下アイドル、地下アイドルの下の組織があるが、ここが守るかどうか、そこが一つの大きなポイントになってくる」(多くの芸能人の顧問を務める 佐藤大和弁護士)

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