昨年大みそかの『第73回NHK紅白歌合戦』出場以降、公の場に姿を見せていない氷川きよしの“不穏な近況”を、8月31日発売の「週刊文春」(文藝春秋)がスクープ。昨今、氷川をめぐっては、所属事務所との不協和音、さらには独立説が報じられたが、その実現に対して“芸能界のドン”が圧力めいた行動に出ていたようだ。
表向きでは「充電期間」に入ったことになっている氷川だが、昨年にも同誌は事務所との間に生じた亀裂について詳報している。創業者の先代社長が亡くなったことを発端に、氷川と新社長の溝は深まるばかりで、一方、幹部スタッフが軒並み退社したことも伝えられた。
「氷川に関して、一部スタッフと合流した後にアーティストとして新たなステージへと進化し、活動を再開するといわれていたのですが、今回『文春』が報じたのは、事務所サイドのいわゆる“芸名封じ”。現社長とも親交の深い“芸能界のドン”こと田辺エージェンシー・田邊昭知社長が、氷川の独立を阻止するべく“圧力”を行使しているというのです」(スポーツ紙記者)
事務所サイドは、芸名である「氷川きよし」の商標登録延長、さらには近年、氷川が新たに名乗り始めた「Kiina(キーナ)」まで商標登録の出願をしているとのこと。
「タレントの事務所独立に際し、事務所サイドがそれまで使用していた芸名やグループ名の使用に制限を科したことから、名称の変更を余儀なくされるという事態は、これまで芸能界で繰り返し発生してきました。しかし今回の氷川のケースでは、独立後に用いると考えられる新たな名称にまで、事務所サイドが先手を打って制限しようとしているわけで、ある意味前代未聞の珍事といえます」(同)
“芸能界のドン”は時流が読めていない?
しかし、昭和や平成の時代ならこうした事務所の強権発動もまかり通ったが、現在でも通用するのかという点には疑問が残る。
「近年では2018年、広瀬香美が独立トラブルを起こした際に、所属事務所が芸名使用にストップを掛けるべく会見まで開いたものの、なんの効果もなく、広瀬は変わらずこの名前を使い続けています。“芸名問題”に限らず、そもそも独立したタレントの芸能活動に制限を掛けたら、いまどき事務所サイドが世間から猛批判を浴びるでしょう」(芸能プロ関係者)
元SMAPの香取慎吾、草なぎ剛、稲垣吾郎は、ジャニーズ事務所退所後にテレビ出演が激減。テレビ各局に圧力をかけて、3人の活動を阻止している疑惑が浮上し、公正取引委員会から同社が注意を受けたことも記憶に新しい。それを踏まえると、「“芸能界のドン”が時流が読めていないというほかなく、あぜんとしてしまう」(同)という。
時代錯誤すぎる“嫌がらせ”的措置を受けていると見られる氷川。充電期間を無事に終え、再びファンの前に元気な姿を見せることができるのだろうか。