「風が吹いても痛い」といわれ、日本人男性の70人に1人が発症するとされる痛風が若い世代にも広がる中、防衛医科大学校などの研究グループによる痛風に関する新たな研究結果が、18日に発表された。若い世代の痛風患者に共通する「遺伝子変異」が特定され、早い段階の予防につながるのではと期待されている。
痛風は、ビールやレバーなどプリン体の多い食べ物を食べ過ぎることが原因の一つとされている。しかし、防衛医科大学校などの研究グループは、20代や30代の若い痛風患者の「太りすぎでなく、食生活を含めた生活習慣も問題がないのに、発症する」という特徴に注目、29歳以下で痛風になった人の約9割に遺伝子の変異が見られることを確認し、18日、研究結果を発表した。
研究グループは、若くして痛風を引き起こす主な要因が、尿酸などの輸送に関わる遺伝子の変異と強く関連していることを発見した。この遺伝子に変異がある人は、ない人に比べて20代では痛風を発症するリスクが最大で22.2倍、全ての世代でも2倍以上だという。この遺伝子の変異は血液で調べることができるため、研究グループは予防などに役立ててほしいとしている。
ただし、研究グループによると、他の病因変異を持っている可能性があり、遺伝子に変異がなくても安心はできないという。