宮城県石巻市の中心商店街に、店舗の空き部屋を改修したシェアハウス「八十八夜」が誕生した。東日本大震災の被災地ボランティアらが気軽に借りられる住まいを用意し、若者の移住も促す狙い。完成を祝うイベントが29日にあった。利用は5月7日に始まる。
シェアハウスは老舗茶店「高橋園」の2階部分で、中長期向けの個室2部屋と短期向けの相部屋(最大5人収容)。名称は茶店にちなんで茶摘みが始まる時期から発想し、コメを作るように手を掛けて育てていく思いも込めた。
開設したのは、まちづくり団体「ISHINOMAKI(石巻)2.0」。ボランティア活動などで一定期間滞在する場合、通常の住宅賃貸契約は難しいことから、店舗などの空きスペース活用を発案した。
今のところ個室に4人、相部屋に8人が申し込んでいる。昨年5月に八戸市から来て、IT関連の地域活動をしている嶋脇佑さん(24)は個室希望で「商店街の中で暮らせるのが魅力」と話した。
石巻2.0の松村享子理事は「若者に住まいのニーズがあることは分かった。シェアハウスの空間を提供してくれる人を増やし、受け皿を整えたい」と語った。
八十八夜は月単位の契約で家賃は個室3万円、相部屋1万5000円(いずれも共益費1万円)。連絡先は「石巻2.0」0225(25)4953。