【ロンドン=大内佐紀】英誌エコノミスト最新号は、オバマ米大統領やメルケル独首相らが、財政赤字削減やユーロ危機収拾などで痛みを伴う決断を避け続けており、「日本化している」と批判する巻頭記事を掲載した。
表紙には、米ドルを象徴する緑色の着物姿のオバマ氏、ユーロのマークが入ったかんざしを挿したメルケル氏を描いた風刺画。記事は、「債務、デフォルト(債務不履行)、麻痺する政治」で「日本化」が進んでいる、との見出しで、「決断をいやがる政治家が問題の根源と化し、景気後退の要因となるような行動をとっている」とやゆした。
記事は、現在欧米で進行中の経済危機は「(バブルが崩壊した)20年前の日本で起きたことの再現だ」と警鐘を鳴らした。その上で、「待てば待つほど方向転換が難しくなるのは、日本の政治家が身をもって示した教訓だ」と指摘して、指導者に決断と行動を促した。