[ブリュッセル 11日 ロイター] – 欧州連合(EU)はブリュッセルで開いた緊急首脳会議で、英国のEU離脱の再延長で合意した。離脱期限は10月31日となる。
EUのトゥスク大統領は8時間に及んだ首脳会議後に開いた記者会見で、再度延長された期間を英国は無駄にすべきでないと強調した。
延期期間中に英国には、離脱協定案の承認や離脱戦略の変更、離脱そのものの取り止めといった選択肢が引き続きあると説明した。
EU首脳らは今後、6月の定例首脳会合で進捗状況を確認する。
トゥスク氏は「6月が崖っぷちというわけではなく、新たな決定をする時期でもない。これは明確にする必要がある」とし、「6月は延期に関する決定のための時期ではない。それを議論することさえなく、加盟国に状況を知らせるだけにとどめるつもりだ」と述べた。
ドイツのメルケル首相は同日の記者会見で、今回の再延長合意について、秩序だった英離脱を実現するための最善策との認識を示した。
首相は「われわれは秩序だったブレグジットを望んでおり、それはわれわれが英国に一定の時間を与えることで最も確実になる」と発言。「決定的なポイントは英議会が離脱協定案をいつ承認するかだ。われわれは離脱合意が適用され、変更されることがない点を明確にした」と語った。
また、マクロン仏大統領も同日、英離脱を巡り、EUと英国のために、長期の離脱延期に反対し、より短期の延期に合意するよう他のEU加盟国首脳に働きかけた責任を取ると述べた。
<英首相は議会承認を訴え>
メイ英首相は同日、EUに2回目の離脱延期を要請しなければならなかったことに多くの人が「強いいら立ち」を感じていることに理解を示した上で、議会に対し離脱協定案を承認するよう訴えた。
首相は記者会見で「今回の延期要請に多くの人が強いいら立ちを感じていることを理解している。本来なら英国はすでにEUを離脱しているはずであり、離脱案を支持するよう議会をまだ説得できていないことを心から残念に思う」と述べた。その上で「われわれが直面する選択肢は厳格なものであり、スケジュールははっきりしている」とし、「国益にかなう合意に向けた取り組みを押し進めなければならない」と強調した。
議会の膠着を打開できる簡単な方法があるとは考えていないとも述べた。