茨城で収穫前の米から微量セシウム 検出全国初

 茨城県は19日、鉾田市で栽培された収穫前の米から、1キロ当たり52ベクレルの放射性セシウムが検出されたと発表した。県は「国の暫定基準値を下回り、安全性に問題はない。今後、収穫後の玄米についても調査を実施し、さらなる安全性を確認したい」としている。コメから放射性物質が検出されたのは全国で初めて。
 県によると、16日に鉾田市内の3カ所から収穫前の米を採取して検査。その結果、2カ所からは検出されなかったが、1カ所から放射性セシウムが検出された。また、収穫後の玄米を検査した鹿嶋市と神栖市では放射性セシウムは検出されなかった。
 県では平成23年産米の安全性を確認するためとして、国の指針に沿って44市町村全てで調査を行っている。通常は収穫後の玄米について検査を実施し、空間放射線量が平常時の値(毎時0・1マイクロシーベルト以上)を越える13市町村では、予備調査として収穫前の米を検査している。予備調査で1キロ当たり200ベクレルを超えた地域は、重点調査を行う。
 県では、国の定める暫定基準値(1キロ当たり500ベクレル)を下回っている限り、出荷制限などは行わないとしている。
 県の22年産米の作付面積は7万7200ヘクタールで収穫量は40万2200トン。産出額は885億円(21年)で全国5位。

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